【医書同源 読書考⑰】「長寿大国」日本!を生き抜く

読書考

お正月明け、大寒波が押し寄せるなか、今年も近くの囲碁クラブで新春・月例大会。結果は2勝2敗、まずはホッとした滑り出し。

約50人の参加、ほとんど高齢者ながら、みなさん背筋をピンと伸ばし元気いっぱい。ゴホンの咳一つなく、パチンの石音に混じって「ありゃりゃ~」「もう死んだんかい?」の叫び声、熱気あふれる「健老者」たちの大会でした。

私にとって、囲碁は想像力と冒険心をかき立ててくれる最高の「養生法」ですが、さて――

『シン・養生論』(五木寛之、幻冬舎、2023)を読んで

「経済大国」から「高齢先進国」「老人大国」として“ジャパン・アズ・ナンバーワン”。「団塊」の昭和人が、久しぶりに五木氏の本を読みました。

本書は、Ⅰ「常識の壁を越えて」Ⅱ「身体は世界に連動するか」Ⅲ「古い老人像からの解放」の3部構成です。著者、90歳の時の執筆。
その中から、私なりに“シン”を「新しい真にして信の養生論」と受け止め、とくに印象に残ったところをいくつか紹介しましょう――

①「養生とか健康法は一律ではない」。自分に合った養生法が「自然に続くことが大事」。学問や思想ではなく「自分の生き方は自分の実感で決める」。

②今、ヒトは「なぜ死ぬのか」の問いから「多くのヒトはなぜ死なないのか」に関心が集まってきている。

③人と挨拶をするとき「どなたでしたっけ?」ではなく、笑顔で「どうも、どうも」と、さりげなくその場を離れる。「良いボケ」をめざそう。

④誤嚥を避けるため、「さぁ、ちゃんと飲み込むぞ」と言い聞かせて飲み込む。

⑤自然の気候だけでなく、世界や国の情勢変化も「人の体調に影響を及ぼす」。

⑥公園の人気(ヒトケ)のない道を「15分ほど歩く」。自ら自然の一部と化して、出会う鳥たちと遊ぶ境地に浸る。

⑦「一を聞けば二を語る」ような口達者が、自立して生きるピカピカの「新老人」だ。高齢者は社会の余計者、例外者ではない。

⑧かつて「ピンピン・コロリ」と言った。コロリではなく穏やかに、ひっそりと痛みなく終末を迎える「ピンピン・ソロリ」が理想。

――本書は、ユーモアたっぷりの実践例がいっぱい詰まっている「養生論」であり「人生訓」でもあります。囲碁を楽しみながら「ソロリ」といくにしても、ず~っと遠~い「終局」であってほしいものです。
「終活」なんて、早っ!!まぁだ「生活」があるぅ…。

※なお、五木氏は、『新老人の思想』(2013年)も出版されている。
※女性作家では、瀬戸内寂聴著『寂聴 九十七歳の遺言』(2019年)や、下重暁子著『死は最後で最大のときめき』(2021年)なども手に取ってみたい。
※ついでに言えば、貝原益軒先生の『口語 養生訓』(松宮光伸訳、2007年)は、昔ながらの、しかし古びない「戦わずして人生に勝つ法」を教えています。

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