【医書同源 読書考⑱】『教養としての世界の政党』(山中俊之、かんき出版、2024)を読んでみた。「政は正なり」でも何が「正」なのか?

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【医書同源 読書考⑱】『教養としての世界の政党』(山中俊之、かんき出版、2024)を読んでみた。「政は正なり」でも何が「正」なのか?

「建国記念の日」を過ぎて春の気配を感じるようになってきました。油断して風邪を引かないよう気を付けたいです。

さて、今回の解散総選挙で「自民党」が圧勝、新党「中道改革連合」は大敗、またほかに新しい政党もいくつか名乗りをあげました。
これからの日本を考える上で、視野を広く持ちグローバルな政治状況などを知っておくこともいろいろ参考になるかな、と本書が目につきました。

本書の著者は、世界97か国を訪問した経験豊かな元外交官、現在は著述家。
さっそく、興味深く感じられたところを紹介しましょう……

①“政党を見ると、その国の進む方向と何を大切にしているかが見える”(p.8 本文を略記、以下略)。
国という単位ではその国の意見は一つでも、政党の視点では国の多様な利害関係者の存在と意見の違いがあるのが分かる。たとえ、ある政党が国際社会に影響を与えても自国で評価されないと次の選挙で落ちる。

――なお、海外の政党では「共和党」や「保守党」、さらに「オリーブの木」(伊)、「ドイツのための選択肢」、「国民連合」(仏)、「統一ロシア」、「ジョージアの夢」、「タイ貢献党」、「インド人民党」、アフリカでは「国民民主党」(ナイジェリア)、「ルワンダ愛国戦線」や「国民抵抗運動」(ウガンダ)などが取り上げられています。

②“「世界の今」を知らないでどうするのか?”
・世界の出来事は自分ごとになっている。もし、世界を知らないと、ビジネスパーソンであれば、取引や商談もできずに「下手をすれば墓穴」すら掘ってしまう。

・新しい「戦略物資」が出現した
現代社会に不可欠の半導体やレアメタルは、世界の供給網で緊密につながっている。それらの生産拠点や埋蔵地は偏在しており、国際的な政治的駆け引きの手段となっている。

・切っても切り離せない国際社会のつながり
政治と経済は強固に結びついている。経済は政治とは別の話というわけにはいかない。国境をこえて活動する巨大IT企業でも、政治家の思惑や政党の主張を無視することなどありえない。

・それにしても「世界は一つ! みんな仲良し!」となりたくともなれず、対立と紛争を繰り返す人類の「宿痾」。大国、強国のふるまいから他の国々は逃れることはできない。

◆著者の言うように、「政党も政策も日々動く生きもの」です。私は、あらためて政治の複雑さを思いました。その全容を捉えて理解することは容易ではありません。「政は正なり」という言葉もありますが、いったい何が「正」なのでしょうか。少なくとも私は、それぞれのおかれた環境や条件のもとで、日ごろの努力が報われる社会を実現してくれる政治であってほしいと願っています。

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