あるゼミナールでの話
(学生Aさん) 先生、インフレに賃金の上昇が追いつきません。このままだと消費不足で景気は良くならないのじゃないですか?
(先生) うん、うん、消費って最大のジュウヨウ(需要)項目。そこで政府は「賃金と物価の好循環」を掲げて、自ら春闘でも賃上げの後押しをカカゲテ(陰で)するようになったんだよね。でもぼくは、両者の関係にかなり鬼門(疑問)を感じているけど。
(学生Aさん) と言われると?
(先生) 「好循環」というより賃金も物価も上がるだけの「高循環」となりそうだなぁ。賃上げ効果は物価の上昇でコウカ(降下)するから、名目だけのコスパ(こすか)らい政策かな、と。
(学生Bくん) それだとせっかく賃上げしても、音上げて(値上げで)苦しむことになりますよね?
(先生) そうだね。シュント(春闘)しちゃう。賃上げに介入しても、セーフ(政府)ならぬアウト。本末転倒というしかない。もともと景気がいいと賃金は上がるもんだ。経済は生きもの、かかりだからと政府が手を突っ込んでもDo(どう)なるものでもないなぁ。本末点灯のためには、企業が投資して生産性を上げなくっちゃ、うまくやらないとお互いの分け前はトーシ(投資)ても増えないよね。
このところ、ステルス・インフレ(中身が減る)とかグリーン・インフレ(ガソリン価格が高止まり)、スクリュー・インフレ(低所得層直撃)などと、インフレのカテゴリーまでじゃんじゃんインフレー。ション(そう)なのに「デフレ脱却はまだ!」と政府・日銀は思っているらしい。物価上昇・賃金後追いという悪循環が進んで本格的なインフレに転じないか、賃金がアトアトオイかけられなくなるのでは、と気になってしまいますね。
なぜ、賃金・物価の好循環政策が打ち出されたのか―おそらく、超の付く金融緩和策に大型財政など意地元(異次元)の対策を続けたいからでしょうか。所得・資産格差はカクサんするばかり。国策が酷策となっては国民から否(火)の手があがりかねない。やはり、必要なのは技術革新であるとカクシュン(確信)、ベター(シュンペーター)な政策へ一日も早く転換を!