しばしば「〇〇発祥の地」と紹介されるキャッチコピーを目にしますが、私のふるさと佐賀県鹿島市は「囲碁発祥の地」を名乗っています。他にも岡山県矢掛町や埼玉県飯能市なども知られています。
鹿島市は、平安時代の人でわが国最初の「碁聖」と謳われる橘寛蓮(たちばなのかんれん)生誕の地にちなんでおり、日本三大稲荷の一つ「祐徳稲荷神社」の境内には寛蓮の顕彰碑が建っています。ここは囲碁ファンとっておきのパワースポット。「イゴノミクス」を思いついたのは、ふるさとの「碁縁」からかなと密かに思ったりします。
さて、囲碁と並び親しまれるのが将棋。両者はボードゲームの代表格ですが、囲碁は黒と白の石を交互に打ち進め陣地(領地)の広さを競うのに対し、将棋は駒を指し合ってどちらかが先に王様を召し取って決着するという、大きな違いがありますよね。
初心者の対局を評して、よく冗談で「ザル碁」とか「ヘボ将棋」と言ったりします。
初心者の囲碁は、必死になってやっと陣地を確保したと喜んでもスキが多く、いつの間にか攻め込まれて虎の子の陣地を減らされてしまいます。貯えができても、まるでザルで水をすくっているようにこぼれ落ちてしまいます。将棋では有名な川柳に「ヘボ将棋 王より飛車を かわいがり」とあります。囲碁でも「アタリアタリはヘボ碁の見本かな」とあり、ヘボは共通ですね。
戦後日本経済も昭和の高度成長を経て先進国(有段者)の仲間入り、私たちの暮らしに少しずつ余裕が生まれ外貨ドルの貯えもできるようになりました。その後、バブル経済、「失われた20年・30年」と続き、妙手の求められる時期に入りました。